横浜地方裁判所 昭和44年(ワ)1442号 判決
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
〔判決理由〕<証拠>によると、北沢運送有限会社は、有限会社の形態はとつているけれども、実質的には被告の個人企業と同一のものであつて、被告個人が被告車を保有するものと認められる。
原告は、昭和四二年三月二九日午後三時四〇分頃、原告車を運転して日比谷通りを日比谷から品川に向つて進行中、西新橋一丁目交差点にさしかかつたところ、交通整理を行つていた警察官が手信号で「停れ」の合図をしたので、交差点手前にある横断歩道をこえ交差点内に進入した地点で急停車した。訴外塚本は、被告車を時速三〇粁で運転し原告車に追従していたが、車間距離を十分にとらず、わずか約5.7米を保つただけであつたので、原告車の急停車に驚いて急ブレーキをかけたが間に合わず、被告車を原告車に追突させ、その衝撃により原告に対し頭部鞭打損傷(頸椎捻挫)の傷害を与えた。
三、訴外塚本は、同方面に進行中の原告車に追従するにあたつては、原告車が急停止しても、これに追突するのを避けることができるため、必要な車間距離を十分にとつていなかつたため追突したというのであるから、これに過失があること明白である。
四、弁論の全趣旨によると、訴外塚本は被告の貨物運送業のため被告車を運転中、本件交通事故を惹起したものと認められるから、被告は自賠法第三条により、原告の損害を賠償する責に任じなければならない。(石藤太郎)